Brand Story:プロサッカー選手からサウナ工場役員へ エストニア・バレルサウナ製造の裏側
現在totonoüで取り扱っているバレルサウナの多くは、エストニアのTeslerグループで製造されています。 今回はtotonoüの代表・齋藤アレックス剛太が、エストニアの首都タリンから電車で1時間の街、Rakvere(ラクヴェレ)を訪問し、Teslerグループの取締役・Alariさんにエストニアサウナの特徴やサウナ事業についてお話を伺いました。 |
Q. 本日はお時間をいただきありがとうございます。さっそくですが、まずはAlariさんの自己紹介をお願いします。
A. TeslerグループのAlariです。自然豊かなラクヴェレで生まれ育ち、学生時代にはタリンの大学で道路建設について学びました。学生の頃からサッカーをやっていたので、卒業後はサッカー選手としてノルウェーでプレーし、2009年からエストニアに帰国しています。
帰国後は故郷のラクヴェレに戻り、Rakvere JK Tarvasというサッカーチームを立ち上げて、キャプテンを務める傍ら、父が創業したTeslerを従業員として手伝っていました。その後、事業に本格的に参画するために、2021年から取締役に就任しています。
Q. アスリートでもあるんですね!Teslerグループについても教えてください。
A. Teslerは、僕の父が2002年ごろに製材事業を営む会社として立ち上げました。2007年ごろからはバレルバス(バスタブ)も製造するようになり、そして2009年に僕がノルウェーからラクヴェレに戻ってきたタイミングで、サウナ事業をやろうと提案したんです。
当初は従業員たった3人の小さなファミリービジネスで、販売もエストニア国内のみ。僕ともうひとりのメンバーでサウナを組み立てて、父が輸送するという役割分担でした。僕自身これまで700台以上のサウナを組み立ててきたこともあって、今でもサウナの品質を自分の目で確認できるのは大きな強みだと思っています。
また、僕が経営に携わるようになってからは海外の販路開拓にも積極的に取り組んでいて、2021年ごろからはドイツや日本の企業とも協業をはじめるようになりました。ビジネスが拡大してきたので、従業員を増やしたり、倉庫として使っていたところを工場に転換するなど工夫しながら対応しています。今では、Teslerにはラクヴェレ中のサウナのプロたちが集まっていますよ!
Q. 日本とビジネスをしてみていかがですか?
A. もともと日本に温浴のカルチャーがあることは知っていたので、はじめてtotonoüからコンタクトがあったときも少しは売れるのではないかと思いました。ただ、正直に言うと年間10台くらいしか期待していなかったんです(笑)それがいい意味で予想を裏切られて驚いています。
今では友人に自分の仕事を話すときに、「日本にも売っている」と自慢していますよ!藤森慎吾さんのYouTubeに自分たちのバレルサウナが出たときには、父や従業員とも一緒に見たのですが、みんなとても喜んでいました。
日本のマーケットはエストニアと比べて大きいですが、まだサウナの製造・販売のプレイヤーは少ないようなので、ポテンシャルを感じますね。
一方で、日本と取引する上では梱包ミスが大きな問題に繋がるため、それを防ぐためのチェックは何重にもしています。木材の品質チェックも入念に行っていますよ。
Q. 隣国のフィンランドもサウナ大国として有名ですが、エストニアサウナの特徴は?
A. エストニアサウナの一番の特徴は、モダンなデザインだと思います。ガラスを多用したり、照明にもこだわったりと、今の時代に合わせてデザインを洗練させたサウナが多いですね。フィンランドでは伝統的でシンプルなサウナが好まれやすいので、この点は大きな違いだと思います。
あとは木材にサーモウッドを使っていたり、物価の関係で比較的安価であることも、エストニアサウナの強みではないでしょうか。
Q. Teslerグループとしてのこだわりは何ですか?
A. 僕たちとしては、とにかく品質を最重視しています。品質をないがしろにすると、短期的には売れるかもしれませんが、長期的には生き残れません。そして、僕は自分が好きになれないものは売りたくないので、自分が本当に買いたいと思えるものだけ、品質にこだわって作っています。
また、チームワークよく仕事をすることも大切にしていますね。従業員とフラットな信頼関係を築くために、日々1on1で対話をしながら問題を改善したり、一緒にサウナに行くこともあります。
そのおかげか、他社では3人で3日間かけてバレルサウナを組み立てているところもある中で、僕たちはその3倍の早さで組み立てることができるんですよ!
Q. Alariさんおすすめのバレルサウナ×オプションの組み合わせはありますか?
A. 直径225cmのモデルに、パノラマガラスとサーモウッドをオプションで追加するのが僕のおすすめです!
Q. 最後に、今後の展望について教えてください。
A. 現在ビジネスが好調なこともあり、今年は工場の拡大・従業員の採用・作業効率の向上などいろいろなことに取り組んでいきたいと考えています。一方で、あくまでも僕たちはファミリービジネスであることを忘れずに、闇雲な拡大路線に走るのではなくて、引き続き高い品質を第一に追い求めていきたいですね。
ありがとうございました!
編集後記 元々は元大関・把瑠都さんの紹介で出会ったAlari。びっくりするほど価値観が合い、もう何年も一緒に働いているかのような感覚で、毎日コミュニケーションを取っています。インタビューの中でも、従業員を大事に、自分たちのできる範囲でのベストを尽くす彼らの考えを伺いながら、うなずきっぱなしの1時間でした。日々改善を続けている彼らのバレルサウナを日本にもこれまで以上に届けていきたいと思えたインタビューでした!(Alex) |